比良比叡トレイル協議会 設立趣意書Letter of establishment
トレイル(trail)とは、歩く道、歩いて旅する道をいう(日本ロングトレイル協会)。 歩くことで山の恵みに感謝し、美しく豊かな自然を守ることを願いながら、その地の自然と歴史や文化に触れ、学び、 そして健康と生きる力を育むことができる。
いま、わが国では、九州から北海道まで18を超えるトレイル・ロングトレイルの整備が進んでいる。 滋賀県でも、11年前に創設された「中央分水嶺高島トレイル80キロ」には、年々多くの山を愛する人々が訪れている。
琵琶湖の東岸から西方を眺望すると、湖の向こうに南から北へ続く長い稜線が見える。 南方の峰は主峰の大比叡(848m)、四明ヶ嶽などの五峰をあわせて比叡山という。 さらに稜線は北へ権現岳、蓬莱山、比良岳、堂満岳、釈迦岳、最高峰の武奈ヶ岳(1214m)、 そして最北の蛇谷ヶ峰まで続き、比良山地と呼ばれている。
奈良時代から山岳信仰の山であった比叡山を、最澄は自らの仏道修行の場と定め、修行を積み重ね天台宗を開創した。 その後、比叡山は日本の歴史と文化の構築に大きな影響を与えた。 1200年後の今日まで続く山麓山稜の道は、筆舌に尽くしがたい過酷な修行の場、 歩く修行の道として「千日回峰行者」が巡拝する道である。
一方、眼下に琵琶湖を展望する比良山地の地形は変化に富み、 夫婦滝や楊梅の滝そして八雲ヶ原や小女郎池などの湿地や池が点在する。 森林はミズナラ、コナラ、ブナなど多様な樹木で覆われ、 四季折々に咲くシャクナゲや山野草の移ろいはハイカーの眼を楽しませてくれる。 山裾には里山の生活文化が残り、古い歴史と貴重な文化財を持つ社寺も多く、伝統ある祭りも毎年各地で執り行われている。
この恵まれた大自然と、そこに連綿とつづく歴史・文化などの多様な魅力を内外に広く発信し、 この地に外国人旅行者を含めた多くの歩く人々をいざない、 観光とスポーツの振興をはじめとした地域の活性化を図っていくため、 琵琶湖西岸の山稜を結ぶ約50kmの道を「びわ湖比良比叡トレイル」と名づけ、 歩く人々の安全を課題にルート整備を行い、イベントをはじめとした活動を展開していく。
このたびここに、その事業推進の母体となる「比良比叡トレイル協議会」を設立する。
平成29年8月9日
比良比叡トレイル協議会の活動
- 比叡山と比良山地の歴史と文化や自然の魅力を発信
- ルート調査
- 安全対策
- 道標の設置
- ルートの情報収集
- 地域住民への理解
- ツアーガイドの育成
- イベントツアーの催行
「比良比叡トレイル協議会」設立発起人
※50音順- おごと温泉観光協会
- 江若交通株式会社
- 滋賀県山岳連盟
- 成安造形大学 附属近江学研究所
- NPO法人高島トレイルクラブ
- 株式会社中山スポーツ
- 比叡山延暦寺
- NPO法人比良比叡自然学校
- 公益社団法人びわ湖大津観光協会
- びわこ成蹊スポーツ大学
- びわ湖バレイ株式会社
- 株式会社まちづくり大津