比良比叡トレイル協議会 © 青木繁

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2018-10-15

比良比叡トレイル山道に台風の倒木被害

作家で『滋賀県の山』(山と渓谷社・共著)等の著者である竹内康之さんが
9月14日に坊村から御殿山を経て比良駅まで歩かれた記録です。「探山訪谷」から転載しました。


「トラブル回避」をテーマに、半年前から9月の登山講座を計画していた。直前の9月4日に近畿地方を直撃する台風が通過する。各地で大きな被害が出て、そのまま10日間の時間だけが過ぎたケースも多い。まことに実践的な講座になった。

トラブルにかかわる登山者側の問題(とくに病気)と対処法を説明して坊村を出発する。すぐに明王院の被害が目の前に現れ、この日のコースはただならぬ状況であることが見てとれた。

境内のスギも被害を受ける(葛川明王院)
御殿山コースの登山道を塞ぐ倒木

坂道に入ると登山道が倒木で塞がれ、周囲の状況を見極めながら安全で時間のかからないルートを選んでいく。南東方向からの風が吹きつける尾根と斜面に倒木が多く、帯状にまとまって倒れているエリアが次々と現れる。植林されたスギとマツが多い。

倒木帯を迂回して登る

幹が折れた木も目立つ

標高690m付近からは落葉広葉樹に覆われるため、弱った樹木以外に大きな被害は出ていない。ただ、降水量が多かったのか道はやや荒れた印象を受ける。冬期ルートの分岐を過ぎて南東斜面をトラバースし、支谷の源流部では土が剥き出しになって歩きにくかった。昼食の休憩をはさんで御殿山に着くのが遅くなったため、時間的に厳しいので武奈ヶ岳とコヤマノ岳を割愛する。


自然林は比較的落ち着いた状況

ワサビ峠から口ノ深谷源流への下りも谷筋が荒れており、一気に多くの水が出たことを示している。中峠へ登り返し、ヨキトウゲ谷を下って金糞峠までは崩土と倒木を何箇所か見るだけだった。正面谷上部は右岸上部のガレ谷から本流へ土砂が流出していたものの、時間のかかる区間はなくほぼ予定の時間に「比良」駅へ着くことができた。


土砂の流出で荒れた谷筋(ワサビ峠~口ノ深谷源流)

土砂の押し出しで不明瞭になった登山道(正面谷上部)

暴風の影響は風の通り道で顕著なため、一般コースであっても時間のかかる場合があろう。ここ暫くは、そうした要素を勘案して計画する必要がある。この日のコースで出会ったキノコと花を、メモとして以下に掲載(2018.9.14)。


タマゴタケ

キタヤマブシ

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